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3分間スピーチ

3分間スピーチとは

文字通り、自分の考えや思いを3分間にまとめてスピーチする事です。

私が勤務していた会計事務所の朝礼ではこれが採用されておりましたが、とても有意義な習慣だったと思います。

その内容を少しご紹介いたしましょう。

スピーチは当番制 、時間が来ると「ピピピ」

スピーチは当番制になっており、当時は月1回くらいのペースで割り当てられていました。
(当番はスピーチ以外にも、その日の事務所を「将軍のように」リードする事が要請されています。)

当番の人は朝一番に出所し、事務所の鍵を開けます。
全員で事務所を掃除し、朝礼がスタートするのですが、当番は全員の前に出て朝礼を指揮します。

連絡事項等をとりまとめた後、朝礼の最後に「他に連絡がなければ3分間スピーチをはじめます。」と言ってスピーチを開始。

時計係の人がタイマーをセットする、時間が来ると「ピピピ」となるわけです。(緊張感がいっぱい)

交際している異性の話、(笑)婚姻届の報告をした人も

仕事のこと、趣味のこと、社会情勢のこと、家族のこと‥その演題は自由です。
中には交際している異性の話、婚姻届の報告をした人もいました(笑)

これが実に大変で、前の晩からそれなりの準備をしておかなければいけません。
ぶっつけ本番ということもままありましたが、準備不足はすぐに露呈してしまいます。

長時間であれば、流れの中で話し全体を形作る事になるので、軌道修正も可能ですが、3分間ではそのようなマージンは一切ないのです。若手もベテランも関係ありません‥

中にはとても感心するスピーチもあり、今でもその中の素晴らしいフレーズとともに内容を克明に覚えているものもあります。

Lebensmai(レーベンスマイ)、ドイツ語で「人生の五月」

清々しい5月の朝、この珠玉のフレーズでスピーチを切り出したのは、入社3年目の女性でした。

彼女はあまり話し上手ではなく、どちらかというと物静かで目立たない人でしたが、けれんみのない自分なりの人生観を述べたこの3分間スピーチには心から感動しました。

「○○君、今朝のスピーチとても良かったよ」
ある先輩が何気なくそう声をかけると、その女性は恥ずかしそうにしていましたが、それを境に、見違えるように素晴らしい監査担当者へ成長してゆきました。

中には「やっちゃった」のもありましたが、それぞれが必死になって自分を表現していました。

え''ーっ朝礼?3分間??当番???

3分間に起承転結をまとめて、緊張感の中で自分自身を表現し、聞き手に訴えかける。

私がいた事務所は地元ではとても優秀な事務所なのですが、その理由のひとつに「3分間スピーチ」があったのではと思っています。現在の私自身があるのもこの3分間スピーチのおかげです。

当然、私がご指導させて頂いている事務所にも採用事例あり、かなりの効果をえられていると思いますので、少しご紹介いたしましょう(事例も含め匿名での掲載許可は快諾して頂いています)。

俺、もいい加減疲れたゎ

首都圏のある事務所の所長は、仕事のほとんどを所長が営業してきて、職員はそれをこなすだけ。みんな真面目で優秀ですが、要所々々は所長が出ないと前に進まない。
「三本松さん、俺もいい加減疲れたゎ。」

所長と 朝礼・当番制・3分間スピーチ の必要性を充分に確認し合い、それら全ての採用を決断。

そして4月のある朝、私は全員の前で言いました。
「来週から朝礼を行ないましょう。そこで3分間スピーチを当番の人にやってもらいます。○○君、あなた記念すべき最初の当番に任命します!この後、私と打ち合わせをしましょう。」

「朝礼?3分間??当番???‥ゲゲゲ」
理由を聞かれましたが、私は個人の利害に関係する場合以外は理由は一切言いません。

幹部所員を中心にみんな困惑していました。「やってられっか」という顔色がありありでした。
当然だと思います。

事例 3分間スピーチです、これがデカイっす‥

毎週私が厳しくチェックするので中断するわけに行きません。
2ヶ月もすると、けっこうな「形」になり始め、事務所の「タガ」が程よく締まり始めてきます。
これも当然だと思います。

1年後、記念すべき第1号の彼がお客様を迎えての決算検討会議を開催する事になりました。
(ちなみに、決算期日前に行なう、決算検討会も事務所で初の試みでした)

「事務所初」の決算検討会

私は同席しました。
多額の消費税に悩む経営者と翌期の戦略について打ち合わせをするということでした‥

(社長さんから「あくまで所内研修用」という条件付でビデオ撮影の許可を頂きました。)

「社長の会社は輸出を多くされているので消費税で得をする事も多いんですよ!」

車椅子を製作・改造・修理し、国内外に販売している会社さんでした。

「非課税資産の譲渡等のうち輸出取引等に該当するものの仕入れに係る消費税額の控除の特例」について、事例とその会社の実状を対比させながら、為替動向についても言及し、翌期の経営戦略について実に簡明で価値のある話をはじめました。

節税の要点がとてもわかりやすかった

併せて、メリット享受のために仕入対応関係の区分経理と自計化移行についてその必要性を熱く説き、経理担当者への今後の指導指針までをも示してしまったのです!

それまで、国内取引が中心だった事もあり区分経理の必要性が比較的小さかったので(一括比例配分方式から個別対応方式へ移行したばかり)、記帳の大部分を事務所で代行していたのですが、輸出が増える今後、3年で1千万円位の節税が期待できるのだと。

まるで「自信」そのものが話しているようだ

さらに、その年完成した自社居住用マンション(個別非課税対応)を海外販売員のための無償用途へ転用するという話を聞きだした彼は、さらに節税メリットを強調します。

「社長、早く転用してください!4百万円くらい節税できます。土地はここ2年は売らないで下さい。」
(急を要さないのであれば、土地売却を控える事で、路線価も上昇傾向にあり一石二鳥)

輸出シフトで課税売上割合がどんと増え、共通対応の設備投資からのバックも期待できると。

それらの実現のためには 自計化 ⇒ 区分経理の完璧化 はマストなんだと。

1年前は頼りなさそうな彼でしたが、その時の彼は「自信」そのものが話している感じでした。

妹相手に前夜はロープレ 当番の前夜と同じ‥

その姿はまさに「プロ」でした。
複合的で高度な内容なのに実に平易に聞こえる。社長も深くうなずきっぱなし。

勉強した知識を価値ある情報として、自分の言葉で、わかりやすく伝える事が出来たのです。

基準期間に代る特定期間の新設、対応用途の転用や課税売上割合の激変による調整税額など多期間にわたる留意点を抱えていましたが、彼はそれらをパワーポイントを使って周到に図解してその日を迎えたのです!

前日は、当番の前日と同様、妹相手にロープレで練習したというのです。

下手すりゃ5時間かけても説明しきれない内容を小一時間で、実にわかりやすく成し遂げた!
この熱心な心掛けはお客様の心を完全にとらえることに成功しました。

お客様は感動し、若い彼に「○○君、今日はここに来て本当によかった」と仰って頂けました!

その事をぶっちぎりで褒めると「三本松さん、3分間スピーチです、これがデカイッス」と。
家族にも協力してもらい頑張った甲斐があったのでしょう。彼の目には涙が浮かんでいました。

泣きそうになるくらい嬉しかった!

普段は無表情な所長にその事を報告すると、所長の目には大粒の涙が溢れていました。
事前の努力、ひたむきさには激しく感動したのです。私も泣きそうになりました。

彼が検討会の準備を行なっている現場を、私はビデオに収めていましたので、所内会議で、検討会の分と併せて参加者に見せると、みんな真剣に見入りながらも、「なんかこれ、3分間スピーチの準備と本番に似ているな」と誰かが言うと、全員うなずいていました。

少人数の事務所であれば、所長の目も行き届き、職員の実力アップにもつながってゆきますが、ある程度の規模になってくると、こうした「仕組み」が人材育成には欠かせなくなってきます。

もしはじめていなければ、是非皆さんの事務所でも採り入れることをおすすめいたします。

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